12.29.2009

メタボリックシンドローム:血圧正常でも注意したいメタボリック症候群

医学的には「高血圧」とは,血圧値の上(収縮期血圧)が140mmHgを超えたとき,あるいは下(拡張期血圧)が90mmHgを超えたときのことを言います。もっと細かく言うと,下が90~100mmHgあるいは上が140~160mmHgを「軽症高血圧」,下が100~110mmHgあるいは上が160~180mmHgを「中等症高血圧」,下が110mmHg以上あるいは上が180mmHg以上を「重症高血圧」と呼びます。

 ただし,最近は「高血圧」になる前から注意する必要があるらしいことが分かってきています。正常範囲内でも,血圧の高い人はそれなりに危ないということです。具体的には,血圧値の上が130~140mmHgまたは下が85~90mmHgの状態を「正常高値血圧」と呼び,「予防が必要で注意が必要な状態」と位置付けています。つまり本当の正常値は,血圧値の上が130mmHg未満で,なおかつ下が85mmHg未満を指すことになるわけです。相談者は,「高血圧」とは言えませんが「正常高値血圧」であり,注意が必要ということになります。

 ではなぜ高血圧が危ないのでしょうか。ひと言で言えば,高血圧が持続すると,動脈が硬くなる「動脈硬化」を促進してしまうからです。血圧が高いと動脈内壁が傷つき,この傷から血液中の脂肪分が動脈に浸透して,動脈が硬化するのです。

 動脈が硬くなると,血管に亀裂が入ったり,破れたり詰まったりしやすくなります。心臓の血管が詰まれば「心筋梗塞」,脳の血管が詰まれば「脳梗塞」,脳の血管が破れれば「脳出血」ですが,これらはすべて動脈硬化が背景となっていることがほとんどです。

 最近の医学では,この動脈硬化を進めてしまう疾患のことを,「メタボリックシンドローム(症候群)」と呼んでいます。

(1)ヘソの高さのウェスト周囲が男性で85cm以上,女性で90cm以上
(2)「高脂血症」(中性脂肪が150mg/dL以上またはHDLコレステロールが40mmHg未満)
(3)「高血圧」(正常高値血圧以上)
(4)「空腹時高血糖」(空腹時の血糖値が110mmHg以上)

のうち,(1)に加えて,(2)~(4)の2つ以上が当てはまると,メタボリックシンドロームと診断されます。会社の健康診断の項目を参照すればすぐに分かるので,ぜひ自分でチェックしてみることをお薦めします。

 メタボリックシンドロームをそのまま放置しておけば,動脈硬化がどんどん進んでしまいます。高血圧やメタボリックシンドロームの人は,とにかく動脈硬化をなるべく遅くゆっくりと進行させる必要があります。そのためには,食事や運動といった生活習慣を見直すしかありません。何かと自分ではコントロールしにくい面もあるかと思いますが,まずは節酒と油ものの多い食事を控えることから始めるべきでしょう。

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